宇宙論入門/破られた対称性/暗号解読
2010年 03月 22日
佐藤勝彦『宇宙論入門』
http://www.amazon.co.jp/dp/4004311616/
佐藤勝彦は,アラン・グースとは独立に同時期にインフレーション宇宙論を提唱した物理学者.この人の本は他にもいくつか読んだが,簡潔で明晰で読みやすい.本書もわかりやすかった.
佐藤文隆『破られた対称性』
http://www.amazon.co.jp/dp/4569709001/
佐藤文隆は,アインシュタイン方程式の佐藤・富松解などで有名な物理学者.上記の勝彦氏とW佐藤で書いた解説論文に載せた力の分岐図がその後,世界的に広まってスタンダードとなった.
かれは「思想好き」なので(?),勝彦氏と違ってけっこう難解な文章が多い.そのなかでは本書は比較的読みやすかった.
しかし,対称性についての解説は前半だけで,後半はエッセイ的な感じ.武谷三男の三段階理論や坂田昌一の無限階層論がマルクス理論の影響を受けた考えだという話はおもしろかった.
ところどころ自慢話が入るが,これくらいのレベルになると本当にすごいので自慢話をされても許せる.
サイモン・シン『暗号解読』
http://www.amazon.co.jp/dp/410215972X
暗号の歴史をドラマチックに描く.新しい暗号があらわれると,それを破る方法が開発され,次はまたその方法では破れない暗号があらわれ・・・.そして最後にはどんな暗号でも破ってしまう量子コンピュータのアイデアが提示されたかと思えば,最後にはそれでさえも破れない「究極の暗号」量子暗号があらわれ・・・という(これまでの暗号は「事実上」破れない暗号だったが,これは「原理上」破れない).
あいまあいまに暗号がやぶられるかどうかが大きく影響を与えた歴史上のエピソードも交え,相変らずうまい.
『代替医療のトリック』に比べると,扱っている題材のせいもあるが,よりドラマティックで,たぶんより広い層に受けるのではないかと思う.『フェルマーの最終定理』も,ドラマティックではあったけど,扱っている題材の認知度も考えると,これもやはり本書の方がより広いかも知れない.
http://www.amazon.co.jp/dp/4004311616/
佐藤勝彦は,アラン・グースとは独立に同時期にインフレーション宇宙論を提唱した物理学者.この人の本は他にもいくつか読んだが,簡潔で明晰で読みやすい.本書もわかりやすかった.
佐藤文隆『破られた対称性』
http://www.amazon.co.jp/dp/4569709001/
佐藤文隆は,アインシュタイン方程式の佐藤・富松解などで有名な物理学者.上記の勝彦氏とW佐藤で書いた解説論文に載せた力の分岐図がその後,世界的に広まってスタンダードとなった.
かれは「思想好き」なので(?),勝彦氏と違ってけっこう難解な文章が多い.そのなかでは本書は比較的読みやすかった.
しかし,対称性についての解説は前半だけで,後半はエッセイ的な感じ.武谷三男の三段階理論や坂田昌一の無限階層論がマルクス理論の影響を受けた考えだという話はおもしろかった.
ところどころ自慢話が入るが,これくらいのレベルになると本当にすごいので自慢話をされても許せる.
サイモン・シン『暗号解読』
http://www.amazon.co.jp/dp/410215972X
暗号の歴史をドラマチックに描く.新しい暗号があらわれると,それを破る方法が開発され,次はまたその方法では破れない暗号があらわれ・・・.そして最後にはどんな暗号でも破ってしまう量子コンピュータのアイデアが提示されたかと思えば,最後にはそれでさえも破れない「究極の暗号」量子暗号があらわれ・・・という(これまでの暗号は「事実上」破れない暗号だったが,これは「原理上」破れない).
あいまあいまに暗号がやぶられるかどうかが大きく影響を与えた歴史上のエピソードも交え,相変らずうまい.
『代替医療のトリック』に比べると,扱っている題材のせいもあるが,よりドラマティックで,たぶんより広い層に受けるのではないかと思う.『フェルマーの最終定理』も,ドラマティックではあったけど,扱っている題材の認知度も考えると,これもやはり本書の方がより広いかも知れない.
by kunihisaph
| 2010-03-22 12:26
| ヘリクツ/疑問/雑学/読書