日々考えよう


by kunihisaph
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ラブストーリーで一方が死ぬ場合の日本と欧米の違い/ヒットしたラブストーリーで片方が死ぬわけ

まえに書いた,片割れが死ぬラブストーリーが多いって話ですけど.

そういえば,アメリカ映画の場合も『タイタニック』『ゴースト』『レオン』と大ヒットした映画は片割れが死んでますね.もしかして「大」がつくヒットをしたラブストーリーってみんな人が死んでいるのではないか・・・と思うくらいです.たぶん今思考がそっちに向かってしまっているからでしょうけど,「一方が死んでない大ヒットしたラブストーリー」を思いつきません.

あえて言うとすれば『冬のソナタ』でしょうか.ただあれも死に掛けてますけどね.ヨンさま.そういや,これは歌ですが,虎舞竜の『ロード』もかたわれ(しかも女性)が死んだんじゃなかったですっけ?

さて,しかし同じ片割れが死ぬといっても,アメリカの場合,死んでいるのは男性のほうなんですよね.そして,『タイタニック』と『ゴースト』は見ていないからよくわからないんですけど,少なくとも劇中ではヒロインはその後別の男性と結ばれることはないんですよね?その辺も日本のヒロインが死ぬパターンとの違いが感じられます.

ところで,前に一度,日本では「弟を見守る姉」という設定が多く,アメリカでは「妹を見守る兄」という設定が多いような気がする,という話をしたのですが,それと何か関係あるやもしれません.

それぞれの国の男性の希望を象徴してるというか.たとえば日本の場合は,よく指摘されることですが,女性に母性を求めます.キリスト教が伝来した際も「父なる神」という概念になじめずに,マリア信仰がはやったという話ですし.

で,日本の場合,だから,女性が死んだ後,ほかの女性とちゃっかり結ばれてもいいわけです.死んだのは母なので.

一方,欧米の場合は,「女性のことを命を張ってでも守るナイト」というのが男性の理想像とされているので,男は女性を守って死ぬわけです.まあ『ゴースト』の場合は死んでから守っているんですけど.

まあなんにせよ,映画や小説,ドラマなどはまだまだ,一見若い女性にこびているように見えてその実,男性の視点から描かれているものばかりだということですわ.

さて,ではなんでヒットしたラブストーリーではこれほどまでに片方が死んでいるんでしょうか.まあなんとなくすでに言い古されてきた説のような気がしますが,私は次のように思います.

人と人が出会えば必ず別れが来ます.そしてその別れにはふたつのパターンがあります.生きたままわかれるか,一方が死んで別れるか.

さて,恋愛の場合,どちらも生きたまま別れるということは,すなわち,一方のもう一方に対する愛情が冷めたということを意味します.つまり,ここでの「別れ」は肉体的にというよりも精神的な別れを意味し,恋愛の終局を意味します(だから空間的に二人の仲が引き裂かれても互いに相手のことを想っているならば別れたことにはならないし,空間的に近くとも一方の愛情が冷めれば別れたことになる).

それに対して,一方が死んだことによる別れは,あくまで肉体的な別れであって,精神的なものではありません.そして,恋愛をする主体もしくは恋愛する対象が消滅してしまったわけですから原理的に「愛が冷める」ということがありえません.つまり,一方が死んでしまうということは,このふたりには永遠に精神的な意味での「別れ」が訪れない,ということです.すなわち,「永遠の愛」「決して消えることのない愛」を意味するわけです.

どちらも生きたまま終わるラブストーリーはたとえラブラブ状態で終わったとしても,視聴者もしくは読み手に「いつか訪れる別れ」を予感させます.つまりそこから「永遠の愛」を読み取れません.ところが一方が死んでしまうラブストーリーは,視聴者もしくは読み手に「永遠の愛」を感じさせます.

つまり,ヒットしたラブストーリーにこのように一方が死んでしまうものが多いのは,永遠の愛を求める視聴者もしくは読み手が多いことを意味しているのではないでしょうか.
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by kunihisaph | 2005-10-18 13:39 | ヘリクツ/疑問/雑学/読書