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日々考えよう


by kunihisaph
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やっと再投稿

投稿していた論文が5月の中旬くらいに返ってきたのですが,学会の準備などで忙しく,先日やっと修正して再投稿しました.

ここで興味がある人のためにちょっと説明.

学術雑誌には,査読つきと査読なしのものがあります.大学で発行されている紀要と呼ばれるものはほとんどが査読なしですが,学会が発行している雑誌はほとんどが査読があります.

査読というのは,まあひらたくいうと審査ですね.その論文がその雑誌に掲載するに値するかどうかを審査するわけです.

この査読にもふたとおりあって,ブラインドレフェリー制のものとそうでないものがあります.人文社会系の学部や講座は独自の学会をつくっていてそこから雑誌を発行していたりますが(たとえば大阪大学文学研究科には大阪大学文学会という学会があってそこから『待兼山論叢』という雑誌を出しています),そういう場合の査読はおそらくほとんどがブラインドレフェリーではありません.

一方,全国規模以上の学会誌はほとんどがブラインドレフェリー制をとっています(医学雑誌なんかはとっていないものも多いと聞きますが).

ブラインドレフェリー制というのは,レフェリーに誰が書いた論文であるかを伏せる制度です.投稿された論文を,その雑誌の編集者がその論文を審査するのに適当だと思われる人物(2-3人が普通だと思います)のところへおくるわけですが,その際に誰がその論文を書いたのかは伏せられます.そうやって公平さをたもつわけです.投稿者のほうもだれが審査したのかはわかりません.

で,2ヶ月から長いと半年くらい(場合によっては1年くらい待たされることもあるらしい)で「レフェリーコメント」が返ってきます.

通常は1発OKとなることはなく(雑誌によっては基本的に掲載拒否か可かのどちらかに一度で決まるところもあるみたいですが),理由を示されて掲載拒否されるか,いくつかの修正案を出されて,修正のうえ再投稿となります.

後者の場合は,レフェリーコメントに従って修正すれば普通は次で掲載許可が出ます.もちろん,場合によってはまた修正を求められることもあるし,次で拒否られることもあります.

それで最終的に掲載許可が出ると,2-3回くらい校正をして,雑誌掲載ということになります.

だから投稿してから実際に雑誌に掲載されるまで早くて半年長いと1年以上待たなければならないということになります[追記:私はこのあいだ投稿から掲載可をもらうまで2年半かかった.しかも実際の掲載はさらにその9ヶ月後].

雑誌自体,人文系は,1年に1回とか2回とかしか発行しないものが多いので(国際的な雑誌となると年に3,4回もしくは毎月発行されるものもありますが),タイミングが悪いとかなり待たなければいけないということになります.
by kunihisaph | 2006-07-08 19:17 | 研究生活