日々考えよう


by kunihisaph
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精子と卵子と殺人と

一昨日の夜,セイエンスゼロを途中から10分ほどだけ見ました.長谷川眞理子センセイが出ていました.

ちょうど,「殺人の分析から、男性が女性よりも圧倒的に多く殺人を犯していること、それも20代の男性が突出していることが世界共通の特徴として明らかになっている」という話をしているところでした.

そして,なぜ「男性が女性よりも圧倒的に多く殺人を犯している」のかというと,「数の多い精子が数の少ない卵子をめぐって争うという生物共通の原理が人間に作用している影響だと解釈できる」とハセマリ先生はおっしゃっていました.

一瞬,聞き間違いかと思ったのですが,セイエンスゼロの公式サイト(http://www.nhk.or.jp/zero/contents/dsp250.html)を見ると,「殺人の分析から、男性が女性よりも圧倒的に多く殺人を犯していること、それも20代の男性が突出していることが世界共通の特徴として明らかになっている。これは、数の多い精子が数の少ない卵子をめぐって争うという生物共通の原理が人間に作用している影響だと解釈できる。」という記述があったので聞き間違いではなかったようです.

でも,論理的にかなり飛躍がありますよね?精子が争うのと,精子を作るオスの個体同士が争うのは別の話ですよね.一般向けなのでかなりあいだが省略されているだけで,本当はもっとそのあいだにいろいろな推論過程があるのだろうか?

ちなみに,日本ではここ最近,殺人の件数が(50年代とか比べて)劇的に減少していて,その影響(?)で20代男性が突出して多いという傾向もなくなっている,という話もありました.なんで全体の件数が減ったら20代男性の殺人件数が突出して多いという傾向もなくなるのかはわかりませんが.
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by kunihisaph | 2009-03-29 16:53 | 人体・生命の不思議
清水明『新版 量子論の基礎』(サイエンス社)

ユニークな教科書.まず,量子論の一般的な枠組みを示すというスタイルをとっている.

著者の専門が,量子力学の教科書をよく書いているような人たちのように物性論や素粒子論といった領域ではなく,どうやら量子測定であるらしいことが関係しているのかもしれないが,標準的な教科書が素通りするような概念的な注意や数学的な注意がなされている点もよかった.ただ,あくまで「注意」であまり深く突っ込んでいるわけではない.

あえて難点を上げるとその点で,「初学者にもすでに量子力学を習った人にも読めてしかもそれほど厚くもない本」を目指した結果,ちょっと中途半端になった感がある.たぶん初学者が読むのはちょっとしんどいのではないか.あくまで二冊目という感じがする.一方で,今も言ったように測定の問題など深く突っ込んでいるわけではないので,その点に不満も残る.
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by kunihisaph | 2009-03-27 16:56 | ヘリクツ/疑問/雑学/読書
下條信輔『サブリミナル・インパクト』(ちくま新書).人の行動というのは,じつは,表向きの,意識している「理由」以外の理由で決定されている,という話とか.

たとえば,二つの魅力度が同じくらいの女性の写真を見せて,どちらが魅力的かを被験者に答えさせる実験があって,被験者がどちらを選ぶかを実験者側で操作できて,しかも被験者は操作されていることに気づかず,「なぜこちらを選びましたか」と聞かれたらもっともらしい理由をならべるという.

同著者の『サブリミナル・マインド』(中公新書),『<意識>とは何だろうか』(講談社現代新書)もおもしろい.

鈴木光太郎『オオカミ少女はいなかった』(新曜社).

心理学で一般に受容されている(と著者が考えている)主張の根拠となる実験や観察が捏造だったり信用できなかったりするという話.

あつかわれているのは,(1) オオカミ少女,アマラとカマラ,(2) サブリミナル効果,(3)サピア=ウォーフの仮説,(4)遺伝で知能が決まるということを示す双子の実験,(5)母親が左胸で赤ちゃんを抱くのは心音のためだという説,(6)天才馬ハンス,(7)プラナリアの学習実験,(8)アルバート坊やの恐怖条件づけ.

(2)ある映画をつかって行われたサブリミナル効果の実験の結果は統計学的に信用できない,という話.

まあ一回しか行われていないし,ここで書かれているように何と比較してポップコーンとコーラの売り上げがあがったかが問題なのはたしか.それに,著者を信じると,1950年代に1/3000秒だけ映像を映写することは技術的に不可能だから,それをしたというのもうそ臭いのも確か.

ただ,この実験が信用できないというだけで,サブリミナル効果自体が否定されたわけではない.著者はサブリミナル効果は論理的に証明不可能というが,サブリミナル効果自体はわりとまじめに研究されているようだ.

たとえば,さきに挙げた『サブリミナル・マインド』には,きちんとした実験が行われて,意識的には認識できない短い時間のあいだ提示された図形によって選好が影響を受けるという結果が出ていると書かれている.追試もいくつも行われているらしいです.

それに,著者は,サブリミナル効果があるという主張は,「はっきり見せられたものほど,そして意識されたものほど効果がない.見えないものこそ,つまり無意識であるものこそ,効果がある」という「ばかばかしい」ことを主張しているのと同じだ,と断罪するけれども,やはり『サブリミナル・マインド』によると(『サブリミナル・インパクト』の方にも書かれているけど),じじつ科学的にそうであること(無意識であるものこそ効果がある)ということがかなり確実に証明されつつあるらしい.

あと,タブー語は認識するのに時間がかかるという実験結果についても著者は「単にタブー語だから認識しても言うのをためらっているだけだ」とするけれど,これもやはりそのような批判に答えるための巧妙な実験があって,タブー語の場合は無意識的に抑圧がかかっているらしいことが検証されている.

(3)ウォーフによる,言語が人の概念やカテゴリーを規定し,認識や知覚を決定するという言語相対仮説について,それを反証するような観察結果を示す(色彩についてなど).この章は面白かった.

ホピ族の言語には時制がないから時間概念もない,というのもうそで(ウォーフに捏造の意思はなかったと思うが),じつは時制があり,時間の単位もあり,儀礼の暦もあり,計時の仕方も複数ある.しかも,時間を空間のように扱う比ゆもあったらしい.もしかしてこれって有名な話?

(7)この章も面白かったのだけど,なぜ本書に入っているのかよくわからないネタだった.プラナリアという生物は面白くて,二つに切断しても,再生して元にもどる.しかも,頭のあるほうからだけ再生してくるのではなくて,頭がないほうからも再生される,つまり頭も再生される.プラナリアは中枢神経(脳)のある動物である.

で,このプラナリアに条件づけ学習をしてやった後,体を二つに切断したら,頭がないほうから再生した個体もちゃんと学習効果が残ったままだということがわかった.

しかも,このプラナリアには共食いの性質(生育環境が悪いときのみ)があるのだけど,学習したプラナリアを切断して,学習していないプラナリアに食べさせると,このプラナリアに学習効果が現れるそうだ.

で,本書によるとこの辺までは実験的に正しいみたいなのだけど,この実験を行ったマコーネルはそこからすすんで「記憶物質があってそれがRNAらしい」と考えたが,それが誤りだった,と.

でも,記憶っていますごく研究が進んでいるし,この「記憶=RNA」説がそれほど広まっているようにも思えないから,それを本書で取り上げるのってどうなんだろう?という気が.いや,おもしろかったんだけど.
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by kunihisaph | 2009-03-15 20:56 | 人体・生命の不思議

いわしバーグ

妻がしばらく仕事をしていなかったので,ご飯作りは妻に任していたのですが,最近,仕事を始めたので,また,平日は私が晩飯をつくっています.

今日はいわしのたたき身にねぎとしょうが,ミソ,塩コショウ,片栗粉を混ぜてつくった「いわしバーグ」.なかなかおいしかったです.

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by kunihisaph | 2009-03-13 20:05 | 男の料理