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日々考えよう


by kunihisaph
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なぜ他人を馬鹿にしたがるのか

どこにでも,自分の組織の上司や有名人だとか政治家だとかを小ばかにしたがる人っていますよね.

批判をするのは別にかまわないわけですが,なにも小ばかにする必要はないわけです.なのに,なんでこんなことをするかというと,私が思うに,「形式的には向こうのほうが自分より上に見られがち(とその人自身が思っている)だが,本当は自分のほうが偉い」ということをアピールしたいのではないかという気がします.

こういうのって,本来は思春期に見られる傾向です.やたらと教師というのを馬鹿にしたがる.とくに「自分は賢い」とおもっている生徒に多いですね.

しかし,その「自信」は根拠のない自信ですから,形式的に自分より上にあるものを馬鹿にすることで,相対的に自分を上にしようとするのです.

本当にしっかりした根拠のもとに自信を持っているのだったら,なにもそういうことをしてまで自分が上だということをアピールする必要はないわけです.

それが大人になっても治っていないひとたちが,テレビだとかウェブだとかで,そういう発言をします.

実際,彼ら・彼女らが相手を小ばかにするときの根拠はそれほどたいしたことではないことが多い.たとえば,よく吉本隆明が「ルサンチマン」を「ル・サンチマン」だと思っていた,というので馬鹿にされたりするわけですが,別に馬鹿にするほどの間違いでもない.

誰にだって間違いはあるわけです.どんなに偉い人間でも.だから,それを単に指摘すればよいだけのことで,なにも馬鹿にする必要はないわけです.

それをわざわざ馬鹿にするのは,その人たちの自信なさ,精神の未成熟さを露呈しているだけのように思えます.

あと,議論しているときなどは,反論の材料がなくなったときにこういう態度をとる人も多いですけどね.論理で勝てそうにないから,相手を馬鹿にすることによって気分的に勝ったつもりになる人とか.

根本的にはやはりこれも精神が未成熟なわけです.確固とした自信がないから,とにかくどういう形ででも相手に勝ちたいわけですね.

たとえば,ちょっとしたミスをとりあげて相手を嘲笑したりする.

私は「ちょっとしたミス」は重要でないと言っているわけではありません.「ちょっとした」論理的なミスも言葉遣いのミスもやはり正すべきです.

ただそういったミスは誰にでもあるもので,何度も繰り返しますが,それを拡大して「こいつは馬鹿だ」とか「中学生レベルの論理もわからない」とか言うようなことではないと思うのです(実際,そういっている本人がくだらない論理的なミスや言葉遣いのミスをしばしばしていたりしますしね).

しかし,そういった方法が有効な場合がまったくないわけでもありません.

今度は逆に,相手が尊大で,こちらが相手のミスを指摘しているのに,まるでこちらを見下して相手にしようとしない場合などは,相手をこちらに振り向かせるために,挑戦的な態度をとる,ということはあるでしょう.

まあなんにせよ,みんなもっと大人になってほしいものですね.自戒も込めて.いや,ほんと,自戒もこめて.
by kunihisaph | 2005-06-04 16:55 | ヘリクツ/疑問/雑学/読書