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日々考えよう


by kunihisaph
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時間と空間の違いについて

いまさら改めて言うほどこともないですが,時間って不思議ですね.

「時間を戻したい」という台詞はよく聞きますが,これは「私の意識の時間以外の時間をもどしたい」ということですね.そうでないと,そもそも時間が戻ったのかどうかすら判定できません.「時間よ,止まれ」というのもそうですね.

世界中の時間が一斉に止まったり逆戻りしたりゆっくり流れたり,速く流れたりしても,誰も気づかないはずです.というより,そもそもそのような概念―「世界中の時間がいっせいに止まったり逆戻りしたりゆっくり流れたり,速く流れたりする」という概念自体意味を成しませんね.

それと同じことだと思うのですが,前にも書いたことのある「時間の正確さ」というのは不思議ですね.「もっとも正確な時計」はいったいどういう基準でもっとも正確なのか.その時計が等間隔で時間を刻んでいるかどうかはいまの1秒とその次の1秒を直接比較できない限りわからないはずなのですが.だから,先のリンク先にも書きましたが,理論的なものでしかないはずですね.

その点,長さというのは「比べる」ことができます.「メートル原器」というものがありますが,それを1mと定義して,それと比較すればいいわけですね.

ただ,もちろんこのメートル原器も「この長さを1mとする」ときめたときと,その後の長さが違うかどうかは直接的には比較できませんが.

このように「時間と空間の違い」というのをいろいろと考えてみると面白いです.

たとえば「同一物である・同一物でない」という判断において何が大事か.

おそらく「異なった時間において(連続的に)同一空間上を占めつづける」ものは同一物です.一方で「同一の時間において異なった空間上の位置を占める」ものはどれほどに通っていようと別物です.

たぶんこの辺の議論はライプニッツの議論に対する反論になるのではないかと思いますが,肝心のライプニッツの議論がどんな議論か忘れちゃいました.

ただこの話は自己同一性の話に持っていくと微妙にちがうのですが,その話はまた次の機会に.
by kunihisaph | 2005-10-06 19:53 | ヘリクツ/疑問/雑学/読書