社会調査のウソ
2006年 01月 14日
谷岡一郎『「社会調査」のウソ』(文春新書)
おもしろい.
社会調査は人々にアンケートをとる形になるものが多いので,質問票の作り方や,いつ・どこで・だれに聞くかで全然結果が違ってくることなどを豊富な事例でわかりやすく説明してくれています.
たとえば,ある種の思想などに関する調査の場合,調査の仕方を工夫しないと,そもそもそういう調査にわざわざ積極的に答えるひとはある思想の傾向をもったひとであったりして,あまり意味がなかったりするわけです(たとえばアムネスティーによる死刑制度の賛否の調査とか,環境保護団体による環境に関する調査とか).
あと,キャリーオーバー効果というのも面白かった.最終的に聞きたいことはたとえばある政策についての賛否だったりするのですが,その前にその政策についての質問をいくつかすることによって,その政策にはどういう効果があるのかということを回答者に刷り込むやり方です.調査がわがネガティブな結果を得たいならその政策のネガティブな面を思い起こさせるような質問を,そうでない場合は逆の質問をするという.
それから,そうやって得た調査結果をどのように操作するかで結果が180度変わってくるということこもこれまた実際に例を出して説明してくれていてよかった.オススメの一冊.
ちなみに,さきほど上でリンクした私の記事のような話もあったと書きましたが,この本にあって私の説明で抜けていたのもあります.
たとえば「逆の相関」というヤツです.「ダイエット食品をたくさんとるひとほど太っているひとが多い」という結果から「ダイエット食品は効果がない」という結論を導くことがありますが,これは単に「そもそも太っているひとが太っているからダイエット食品を食べるのだ」というだけだったりするわけです.
おもしろい.
社会調査は人々にアンケートをとる形になるものが多いので,質問票の作り方や,いつ・どこで・だれに聞くかで全然結果が違ってくることなどを豊富な事例でわかりやすく説明してくれています.
たとえば,ある種の思想などに関する調査の場合,調査の仕方を工夫しないと,そもそもそういう調査にわざわざ積極的に答えるひとはある思想の傾向をもったひとであったりして,あまり意味がなかったりするわけです(たとえばアムネスティーによる死刑制度の賛否の調査とか,環境保護団体による環境に関する調査とか).
あと,キャリーオーバー効果というのも面白かった.最終的に聞きたいことはたとえばある政策についての賛否だったりするのですが,その前にその政策についての質問をいくつかすることによって,その政策にはどういう効果があるのかということを回答者に刷り込むやり方です.調査がわがネガティブな結果を得たいならその政策のネガティブな面を思い起こさせるような質問を,そうでない場合は逆の質問をするという.
それから,そうやって得た調査結果をどのように操作するかで結果が180度変わってくるということこもこれまた実際に例を出して説明してくれていてよかった.オススメの一冊.
ちなみに,さきほど上でリンクした私の記事のような話もあったと書きましたが,この本にあって私の説明で抜けていたのもあります.
たとえば「逆の相関」というヤツです.「ダイエット食品をたくさんとるひとほど太っているひとが多い」という結果から「ダイエット食品は効果がない」という結論を導くことがありますが,これは単に「そもそも太っているひとが太っているからダイエット食品を食べるのだ」というだけだったりするわけです.
by kunihisaph
| 2006-01-14 14:07
| ヘリクツ/疑問/雑学/読書