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日々考えよう


by kunihisaph
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統計はこうしてウソをつく

ジョエル・ベスト『統計はこうしてウソをつく』

さまざまなパターンのおかしな統計を具体的に示す.

このなかで「何と何を比較しているか」ということに気をつけなければならないという話があって,そのひとつの例に,アメリカのlawerは1万人に28人を超えるが,日本のlawerは1万人に1人ちょっと,といわれるが,実はアメリカと日本で「何をlawerとするか」に違いがある,というはなしがおもしろかった.

アメリカではlawerとは法学の学位を取得して司法試験に合格した人のこと(司法試験を受ける人の大半は合格する).一方,多くの日本人が法学の学位を取得するが,そのうち弁護士の資格を得るための試験に合格する人は2パーセント足らず.

法学の学位を取得した日本人の大多数は政府機関や企業に所属して法律顧問業務に携わるが(それは本当か?―法学部を出て法律と全然関係のない就職をする人もかなり多いと思うのですが),弁護士には数えられない.これに対してアメリカで同様の業務に携わる代理人はlawerに数えられる.

つまり,アメリカは日本よりはるかにlawerが多いという主張は,アメリカのlawerの数と日本の弁護士の数を比較しているというのです.

弁護士以外の法学部卒業生をすべてlawerに数えれば,人口に占めるlawerの割合がおよそ同じくらいになるという(1987年にはそれぞれ1万人当たり,アメリカ28人,日本32人).

ただ,うえの( )内でも触れましたが,日本の法学部卒業生で法律関係の仕事につく人ってそんなに多いですかね?たしかに,司法書士,行政書士や弁理士(宅建の資格をもっている人も?)もひっくるめてlawerとすれば,1万人辺りの人口はもうちょっと増えそうですが,それでもアメリカよりかなり低くなりそうな気がしますが.あと,日本の場合,法学部出てなくても弁護士以外の法律関係の資格をとる人が多いのでその辺も考慮に入れると法学部卒業生をlawerと数える,というのも問題がありそうですね.

まあともかく,国際的な比較というのはそんな感じで難しいということですね.
by kunihisaph | 2008-02-11 18:02 | ヘリクツ/疑問/雑学/読書